勝率ゼロへの挑戦

八田隆「勝率ゼロへの挑戦」を読んだ。著者である八田隆氏の裁判の様子を描いたノンフィクションである。

著者の八田氏は脱税の疑いをかけられて、起訴される。これはただの冤罪事件ではない。マルサ(国税局査察部)が告発し、検察特捜部が起訴した事件は、これまで全て有罪判決が下っており、無罪になったことは一度もない。そのような絶望的な状況で、八田氏はあくまでも無罪を主張し、検察に真正面から戦いを挑み、そしてついに史上初の無罪判決を勝ち取るという内容だ。

著者の常人離れした知能と不屈の精神には驚嘆するが、逆にそこまでの超人的な能力がなければ無罪は認められないのかと恐ろしい気持ちにもなった。

本の巻末付録には、八田氏の被告人最終陳述が全文掲載されている。文章は非常に明快で、かつ、感動的な内容だった。全文はネットで読むことができるが、一部分を抜粋してここに引用したいと思う。

最後に、検察の方々に一言だけ申し上げたいことがあります。それは、あなた方の初心を忘れてほしくないということです。あなた方が、法曹界を目指したのは何のためだったのでしょうか。社会正義の実現のためにほかならなかったのではないでしょうか。厳しい司法試験合格の後、まさに秋霜烈日の気概を持って、検事の道を選んだのではなかったのでしょうか。世の中の誰に対してより、その頃の自分に胸が張れるような仕事をするよう心がけて下さい。

そうすれば、自分たちに有利な証拠だけを開示して不利な証拠を隠すであるとか、検面調書を密室で自分たちに都合よく作文するとか、ましてや無理に被疑者に自白をさせることや、無理に起訴をすることがあなた方の仕事ではないと容易に理解できるものだと思います。

全文は八田氏のブログに貼ってありますので、興味のある方は読んでみていいと思います。
http://fugathegameplayer.blog51.fc2.com/blog-entry-470.html

 

勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか
八田 隆
光文社
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